2007年02月22日

昭和30年代の銭湯で見たもの

福岡市の中心街の近くそれは見るからに幾十年を経た佇まいである。

懐かしい「ゆ」という一文字に誘われるように、「男湯」「女湯」と別々の入口がある、一方のガラス付きの木戸を開けた。

番台には年配の婦人が座っていた。代金は410円である。婦人は財布を預かりましょうか?と申し出た、盗難が多いらしい。

懐かしい脱衣篭がある。よくこのかごの中に入り遊んだ。そしてあの力士を計量するような体重計。

浴場のガラス戸を開けると大人が5人も入れば一杯になるような小さなタイル仕立ての楕円形の浴そうがひとつ中央にあった。周りに八人位分のシャワーと懐かしい黒と赤の蛇口。

浴そうに一人中年の方が入ってたので、こんにちはと挨拶したら驚いたように口ごもるように返してきた。

壁面にはなんの絵画もなかったのが残念だ。昔は富士山みたいなのがあって眺めて楽しめた。

隣の女湯から会話の声が湯煙とともに聞こえてきた。昔はすごかったなぁ活気が会話にもあった。

小さい頃行ってた銭湯は男湯と女湯が下で繋がっていてよく潜って行き来したっけ。

風呂から上がり着替えてるとき、ひとりの老人が入ってきた、あいさつしたが、無視だった。

風呂あがりに大きい扇風機にあたりながらコーヒー牛乳を飲んだもんだ。が、そんな気にもなれなくて、その時代を共に生きてきた銭湯に別れを告げた。

もう来ることはないだろう。しばし郷愁にしたりながらも侘びしさを感じたひとときであった。

近くに古い銭湯があるならぜひとも行ってやってください。まもなくその灯は消えるでしょうから。



Posted by 中高年の太陽 at 23:57│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。